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「湯島と言えば……」
好太は大和の顔を見た。
釣られて野田と磯島も大和を見る。
「久米さんだね。そういえば、久米さんってレギュラーになったの?」
「あれ、大和知らねーの?」
「何が?」
「久米さん、湯島のエースになったぜ」
大和は口をあんぐりと開けた。
湯島のエース、しかも二年生で。
甲子園の常連である湯島なら、これは大快挙ではないか。
「俺達が入学する前に春期大会があっただろ。それに久米さんは背番号1を付けて出てたぜ。まぁ、選抜は他のピッチャーが投げてたから、大和が知らないのも無理ねーけどな」
「久米さん、決勝も投げたの?」
「おう。だけど、内容は良くなかったみたいだな。音平の天野って知ってるか?」
「天野?」
「右田の先輩だよ」
磯島が言った。
「とにかくホームランばっかり狙う人でしょ。たしか、今は音平の四番だよね」
「そいつだ。っで、久米さんはその天野ってやつにボコボコにされたらしい」
「うーん、久米さんのボールを打つなんて、かなり出来る人なんだね、その天野って人」
「まあ、人間的には問題あるけれどね」
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