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「問題?」
磯島は苦笑した。
「なんて言うか、自己中心的な人なんだ。まあ、小さいときから有名で、何かとちやほやされてたから仕方ないんだろうけど」
「そうなんだー。なんか、変な感じがする」
「どうして?」
「俺達があんな監督だったからなぁ」
好太が笑いながら言った。
「不河中の監督は、厳しかったからなぁ。結果よりもその過程を大事にしろってさ。いやー、俺はよく怒鳴られた」
「監督が怒る相手って、たいてい好太だったもんね」
「だけど、好太が1番監督と親しかったんじゃないか?」
「そうか?」
野田は頷いた。
「監督はいろいろと好太を心配してた。二年で久米さんの二番手ピッチャーになったもんだから、先輩達にいじめられないかってヒヤヒヤしてたし」
「ならもうちょっと優しくしろっつうの」
好太が残念そうに呟いた。
「俺達は皆真面目だったからな。監督にすれば好太が1番手がかかったから、1番愛着があるんじゃないかな」
「ふーん」
「不河の監督は面白いね」
「変なおっさんだけどな」
好太がにんまりと笑いながら答えた。
「それで、他のシードは?」
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