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「第三シードは伊佐ヶ峯。くそめんどくせー野球をしてくる」
「めんどくさい野球?」
「走ったり小技使ったりと、な」
「戸部野球だな」
「ま、そういうこと」
戸部野球と言うのは分かりやすい。
仮に戸部が九人の野球なら、これほどやりにくい相手はいないだろう。
いろいろな手段で塁に出れるし、出たらリードや盗塁で掻き乱される。
考えれば考えるほど、やりにくい相手だ。
「そういえば、不河農林が第5シードに入ってるぜ」
「不河農林か……」
大和が呟いた。
青山堂高校の最初の練習相手であり、負けた相手だ。
「白崎と針生はどうなったんだ?」
野田が磯島に聞く。
「んー、白崎は分からないけど、針生君はレギュラーになったらしいよ」
「やっぱりな。まあ、勝負出来る機会が増えたのは良い事だ」
好太はうれしそうだ。
大和にすれば、下手な勝負が出来ない針生とは出来たら勝負をしたくないというのが本音。
針生のポテンシャルの高さは一流だ。
そして大和は、針生とバッテイングスタイルが似ているのではないかとひそかに思っている。
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