10、Ready up

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針生の打撃も力強いが、そのフォームやバットスイングはとても柔らかい。 その事まで大和は気付いたわけでは無いが、感覚的に共通点が多いのではないかと感じている。 大和が一人でそんな事を考えているうちに電車は不河駅についた。 野田も大会が近いということで、練習を手伝ってくれるらしい。 大和は明日の事を考えながら、練習に励んだ。 「大和君、好太君、行くわよ」 次の日、美鈴は大和と好太の昼食を食べ終わると同時に教室へやってきた。 さすがに学校の中なので、いつもの黒いサングラスは外している。 それでも怪しげな雰囲気は消えていない。 野球部員達は慣れていたが、他の人達は不安げな表情を浮かべていた。 「幸運を祈る」 野田は真面目な顔で親指を立てた。 磯島はかばんをあさり、お守りを取り出す。 「これ、受験の時に持ってたやつだから合格祈願だけど……」 磯島は好太に手渡した。 「ありがとな! まぁ、試験じゃねーから効果はわかんねーけど、とりあえず持っとく」 好太はポケットにしまうと、かばんを持った。 「あら、好太君なんで帰る支度をしているの?」
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