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ただし、野球の事以外にも昔の事や好きな芸能人の事なども話してくれた。
美鈴のプライベートはなに一つ分かっていなかった二人は、緊張も忘れて美鈴の話に聴き入る。
特に過去の話は面白かった。
「私もあなた達みたいにずっと野球をしていたかったのよ。でも、野球はリトルだけで、それ以上は続けさせてもらえなかったの」
「どうしてですか?」
「考えてごらんなさい。あなた達の野球部に一人だけ女の子が混ざっている状況を」
「その女の子はかわいいですか?」
好太が真面目な顔で尋ねる。
「その当時の私よ」
美鈴はそういっていつもの笑みを浮かべた。
大和は結城が野球部員だった場合を想像してみる。
まず、ボールが顔面に当たらないか凄く心配になるだろう。
男だからできる話もしにくくなるし、雑用や力仕事はどうすればいいのか。
考えれば考えるほど問題が出てくる。
「私はどうしても続けたかったけれど、私以外はそれに賛成する人が一人もいなかった。だから、仕方無しにソフトを始めたの」
「そうだったんですか……。ポジションはどこを?」
「ふふふ、大和君はどこだと思う?」
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