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大和は美鈴の横顔を見た。
美鈴の体形からすれば、二遊間あたりの気がする。
それか外野の可能性も。
ただ、野田のように利き腕とかの要因があるとすれば、一三塁もありそうだ。
けれども、豊富な知識量からみれば、バッテリーだろう。
結局どこなのか見た目では判別しがたい。
「セカンドですか?」
好太が聞いた。
「違うわ。ピッチャーよ。最初は外野だったんだけど、一年の新人戦ぐらいには自然とピッチャーだったの」
美鈴は懐かしむように言った。
「確か、俺達は最初から投げさせてもらえたよな?」
「そうだね。俺は肩が強かったし、好太も投げるフォームがきれいでコントロールが良かったから」
ついでに、試合デビューもピッチャーでだ。
その時は最初に大和が投げ、次に好太が投げたはず。
最初は大和の速球に相手チームも戸惑って簡単に手を出してくれていたけど、途中で大和のノーコンがばれ、フォアボールを三連続で出して降板。
その後は好太が三人を何とか抑えてその試合には勝利したけれども、それ以来先発が好太でリリーフに大和と役割が完全に固まった。
もちろん、大和も好太もお互いに満足な役割である。
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