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「えー、お忙しい中、お集まり頂き恐縮です」
スピーカーを通して男の声が聞こえて来た。
教卓の所で男性がマイクを持って喋っている。
大和はタイミングのよさにホッと胸を撫で下ろした。
男性が連絡をしている間に、筆記用具を出す。
ふと隣を見ると、好太の瞼が半分落ちていた。
「好太、寝たら流石にまずいよ」
「んが? 寝てねーよ!」
好太は反論したが、隣で美鈴にくすりと笑われ、静かになった。
もろもろの話が終わり、いよいよ抽選となる。
まずは抽選の順番を決める抽選。
好太は37番を引いて来た。
ちょうど全体の真ん中辺りで、数も悪くない。
好太のくじ運はまだ衰えていないようだ。
「さて、どうなるかな?」
大和は少し緊張しながら、次々とトーナメント表を埋めていった。
幸運な事に第一シード湯島、第二シード音平学院のパックは直ぐに埋まる。
これで最初の山は越したと言えるだろう。
そんな事を考えていると、ついに36番目の高校がくじを引き終わった。
「37番、青山堂高校」
呼ばれると好太は「ハイ」と返事し、教卓に向かった。
そして、くじを引く。
大和はついに始まると、胸を高鳴らせた。
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