10、Ready up

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「すごいな」 「ん?」 野田は不思議そうな顔をしたが、それ以上は何も言わなかった。 「第四シードかー。面白いところだなー」 岩崎がニヤニヤしている。 「絶対に勝てないっていうような相手じゃ無いよね。まぁ、地力で勝てるほど甘くないだろうけど」 塚原ははにかみながら言った。 「というわけで練習しましょ」 美鈴の一声でいつものように練習が始まった。 しかし、空気が重たい。 大和は言いようの無い不安を感じながらも、打撃とキャッチング、スローイングの練習をこなした。 青山堂高校にはトレーニングルームがある。 本格的な設備は無いがスペースが広く、少人数でいけば先客がいても問題無い。 最近、大和と好太の自主連は専らそこで行われていた。 好太は日々の練習メニューの中にウェイトトレーニングが入っている。 肩は消耗品であるという考え方から、投げ込みはあまり行っていない。 その分をウェイトで補っていた。 大和は自主連でしかウェイトをしない。 なので、好太が筋肉の回復と持久力を高めるトレーニングをしている間に、ハイパワーを鍛えるトレーニングを淡々と行っていた。
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