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「すごいな」
「ん?」
野田は不思議そうな顔をしたが、それ以上は何も言わなかった。
「第四シードかー。面白いところだなー」
岩崎がニヤニヤしている。
「絶対に勝てないっていうような相手じゃ無いよね。まぁ、地力で勝てるほど甘くないだろうけど」
塚原ははにかみながら言った。
「というわけで練習しましょ」
美鈴の一声でいつものように練習が始まった。
しかし、空気が重たい。
大和は言いようの無い不安を感じながらも、打撃とキャッチング、スローイングの練習をこなした。
青山堂高校にはトレーニングルームがある。
本格的な設備は無いがスペースが広く、少人数でいけば先客がいても問題無い。
最近、大和と好太の自主連は専らそこで行われていた。
好太は日々の練習メニューの中にウェイトトレーニングが入っている。
肩は消耗品であるという考え方から、投げ込みはあまり行っていない。
その分をウェイトで補っていた。
大和は自主連でしかウェイトをしない。
なので、好太が筋肉の回復と持久力を高めるトレーニングをしている間に、ハイパワーを鍛えるトレーニングを淡々と行っていた。
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