10、Ready up

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「釜内商業って、どうなの?」 大和が一休みしながら聞いた。 「とにかく守りが固い。一点とか二点くらいしか失点しねーんだよ」 好太はランニングマシーンの上から答えた。 息が切れるほどの速度では無いが、喋るにはきついかもしれない。 「ピッチャーの真山が技巧派。球速も変化球もたいした事ねーけどな」 「打撃は?」 「あんまりだ。しっかりたたき付けてくるが、それだけ。打撃に関しては水尾のほうがめんどうだ」 「水尾か……」 大和は溜め息をついた。 釜内もだが、一回戦の相手である水尾はかなりやっかいである。 去年の秋季大会、湯島高校に三回戦で負けはしたが、七対六という僅差でどちらが勝ってもおかしくなかった。 もちろん、好太からの情報である。 「そういえば、泉も水尾だよね」 「確かな。レギュラーになったとは聞いてねーけど」 泉は不河中学で一番足が速かった選手。 打順も一番か二番を打っていた。 水尾には他にも不河の先輩達が通っている。 不河と水尾は近く、野球部以外でも進学する人が多い。 「水尾はとにかくバットを振ってくる。初球からガンガンな」
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