10、Ready up

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「打撃戦になるかな」 「だろうな。打たれない事はねーし。何点に抑えるかがポイントになりそうだ」 ということは、キャッチャーの資質も問われる。 大和は拳をにぎりしめた。 「ところで、今日は随分ペース速いな」 「えーっと、そうかな?」 「だってよ、もう終わりじゃねーか、今日のメニュー」 大和は苦笑いをした。 実は、この後に野球部の備品を買いに行くことになっている。 なぜか結城と一緒に。 そう話すと、好太はニヤニヤした。 「チャンスだな」 「いやいや、おかしいでしょ。チャンスじゃないし、めんどくさい」 「行きたくないのか?」 「そういうわけじゃないけど、結城ちゃんは別に野球部と関係ないじゃん。なんでわざわざ俺と結城ちゃんなの?」 「まあ、確かに変かもな」 「美鈴先生、何かと結城ちゃんを使ってない?」 前から思っていた疑問だ。 野球部で何かあれば、必ず結城が呼び出される。 この前の練習試合もだし、今回のこともだ。 結城はマネージャーなどではなく、ただのソフト部員。 おかしい気がする。 「というわけだから、行ってくるよ」
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