10、Ready up

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次の日の放課後、地区予選が目の前に迫っているだけあって、かなり練習の空気が張り詰めていた。 青山堂には三年生がいないので、ここで引退する人はいない。 しかし、これが青山堂野球部としての最初の公式戦。 大和はフリーバッティングをしながらも、部員達の緊張を感じ取った。 「集合」 いきなり美鈴が現れ、部員を集めた。 大和は打撃投手をしてくれていた好太と一緒に集合する。 外野を守っていた部員達が集まるまで、少し時間がかかった。 「練習お疲れ様。皆表情が固いけど、動けていていいわよ」 美鈴が褒めたように、皆のレベルは上がっている。 これは守備連でマスクを被る大和の感想。 キャッチャーとして、そういうことにも気を配るようになった。 「早速だけど、甲子園予選での皆の守備位置を言うから、聞いててね」 途端、部員達がざわめき出した。 そんな事は歯牙にもかけず、美鈴はどんどん発表していった。 キャッチャーは大和と川上。 川上は中学時代外野手だと言っていたので、大和と同じでキャッチャー一年生だ。 「これで甲子園予選を戦うわ。皆頑張りましょうね」
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