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「あなたたちに残された時間は、あと二年。それまでにまとまった能力を身につけなくてはいけない。だから、ピッチャーはある程度の実績があって経験者である好太君と塚原君に任せる」
「はい」
塚原が力強く答える。
好太はニヤニヤと笑っていた。
大和には好太が何を考えているのか分かる。
俺に任せとけ、だ。
もちろん、口に出さないのは小心者だからというのも知っている。
「ただし、それ以外はどんどん変えていくわ。練習方もポジションも打順もね。私から皆にお願いするのは、速く自分のスタイルを固めること。あれもこれもと手を出して中途半端にするより、小さくまとめておいてそこからいろいろと能力を上げていけばいいわ」
最後に、と美鈴は小さく言う。
「私に付いて来て頂戴ね。いい？」
大和は「ハイ」と答えた。
それと同時に野球部全員が返事をし、立ち上がって再び練習を再開する。
もちろん、守備位置は新しい所に。
大和も好太との投げ込みを再開すべく、プロテクターを付け始めた。
「大和君」
呼ばれて振り向くと、美鈴が立っていた。
「さっき実は嘘を言ったわ」
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