10、Ready up

38/40

1941人が本棚に入れています
本棚に追加
/604ページ
大和は思わず、「え?」と聞き返した。 「打順の四番、そこはあなたに任せていたいの」 「四番ですか?」 いきなりの話しで、理解が追い付かない。 「そう、四番」 「うーん……」 いつでも調子がよければ問題無いが、そんなことは有り得ないだろう。 不調な時は必ず来る。 そのような時でも四番を打つのだろうか。 効率的で無い気がする。 「これは最初から決めていたの。そうね、あなたが入学する前から」 「気が早いですね!」 「そうね。でも、あなたにはそうさせてしまうだけの可能性を感じてしまった。もし、あなたがピッチャーだったら、ここにはいなかっただろうけど」 「なんでですか」 「あなたがもし野手だったら、他の学校がほっとかないわ。ピッチャーとしての評価だったからこそ、私はあなたを取れると思った。フフフ、妙な巡り会わせね」 それは喜ぶべきことなのか、大和には判別がつかなかった。 そんな大和に、美鈴は「さて」と話しを切り出す。 「打撃は中心となる四番をまず定めなきゃいけない。そこを定めることによって、初めて繋がりが出来てくる。四番は正直、育てでどうなるものではないの。だから、大和君にお願いするわ」
/604ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1941人が本棚に入れています
本棚に追加