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「ったく、暑いなー!」
「まぁ、初夏だからねー。」
「こんなに暑いと俺の集中も続かねーよー」
「頑張れー!」
「ふ、二人とも集中しようよ」
磯島が後ろから声をかける。
甲子園予選の開会式。
他校が真面目な顔で行進している中、どうも緊張感がわかない。
後ろの野田と磯島が真面目な顔をしていられる(野田はいつもだが)のが不思議だ。
一番前の大和達が真面目にしていなければいけないのだが、なんだか出来ない。
「真面目な顔でね」
大和は自分に言い聞かせた。
試合は三日後の土曜日。
いったいどうなるのだろうか。
そう考えると、やはり不思議と真面目な顔が出来なくなる。
多分、暑さで頭がおかしくなっているのだろう。
隣の好太も頭がおかしくなっている。
そう結論付けた。
「早く試合してーなー」
好太の呟きに、大和も頷いた。
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