10、Ready up

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「ったく、暑いなー!」 「まぁ、初夏だからねー。」 「こんなに暑いと俺の集中も続かねーよー」 「頑張れー!」 「ふ、二人とも集中しようよ」 磯島が後ろから声をかける。 甲子園予選の開会式。 他校が真面目な顔で行進している中、どうも緊張感がわかない。 後ろの野田と磯島が真面目な顔をしていられる(野田はいつもだが)のが不思議だ。 一番前の大和達が真面目にしていなければいけないのだが、なんだか出来ない。 「真面目な顔でね」 大和は自分に言い聞かせた。 試合は三日後の土曜日。 いったいどうなるのだろうか。 そう考えると、やはり不思議と真面目な顔が出来なくなる。 多分、暑さで頭がおかしくなっているのだろう。 隣の好太も頭がおかしくなっている。 そう結論付けた。 「早く試合してーなー」 好太の呟きに、大和も頷いた。
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