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「大和!!」
まだ実感がわかない大和の頭を、好太がいきなり叩いた。
ヘルメットがずり下がって前が見えなくなったが、そんなことお構いなしに青山堂のメンバーは大和に手荒い祝福をする。
この前のホームランの時も乱暴な祝福を受けた大和は、これが一種の伝統になったら嫌だなと変な事を考えた。
皆のヒートアップも一段落して大和は開放されると、ベンチに戻ってレガースやプロテクターを付け始める。
打席には岩崎が入り、じっくりと菅原の球を見極めていた。
「ナイスバッティング」
大和が後ろを振り返ると、美鈴がベンチの隅で怪しく笑っている。
大和は苦笑いをしながら曖昧にお礼を言ったら、美鈴は「何故そんな風なの？」と鋭く聞いた。
「あなたは四番。あなたが喜ばないと、皆の士気も上がらないの。それを理解している？」
美鈴の言い方と言っている内容は怒っているようにも取れるが、そうではない事を青山堂のベンチにいる全員は気付いた。
気付いたからこそ、全員が大和と美鈴の方を見る。
「正直、ホームランになった理由が分からないと言うか、拍子抜けしたというか……。上手くいえないんですけど、何か違うんですよ」
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