11、夢の始まり

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一回が終わったところで、青山堂が3点をリード。 5回までに7点差をつければ、その時点でコールドが決まる。 5回なら恐らく好太ももってくれるだろうから、それまでにあと4点とれれば、善戦どころかコールド勝ちも有り得てしまう。 大和はそこまで考えたが、頭を振ってその考えを追い出した。 結局そんな事を考えても取らぬ狸の皮算用にしかならないことを、経験上知っている。 今必要とされているのは、相手ピッチャーを前の打席で得た情報を元に分析すること。 しかし、ホームランを一球目で打ってしまったので、情報はほぼ皆無。 しょうがないので大和は身をベンチから乗り出し、他の打者の打撃を見て研究しようと思った。 この回も先頭は戸部で、やはりなぜか前に飛ばすことが出来ずにファールで粘っているようである。 「大和、なんで戸部は前に飛ばせないんだよ?」 好太が大和に聞いたが、大和にもその理由はよく分からない。 そんな大和を塚原と岩崎が変な目で見た。 「やっぱり大和は変わりもんだなー。あのボールの質がわかんないのに打てるなんてなー」 「どういうこと?」 「あのピッチャー、僕とストレートの質が似ている」
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