BLOCK☆MAN

11、夢の始まり

塚原が真剣な眼差しをマウンドに向けたまま、しっかりと言った。

塚原のストレートは回転数が多く、普通の打者はそのノビで上手くとらえることができない。

「あーゆうタイプのストレートは、なかなか打ちにくいもんだー。多分、ストレートに自信を持ってるんだろー」

「僕より球速いんじゃないかな？　ノビはそうでも無いかもしれないけど、１３０の半ばくらいは出てそうだね」

宍山の二人は真剣な眼差しで攻略を考えだし始め、大和と好太はそれを聞いていた。

「球が速い方だから、みんなも振り遅れまいとしてスイングするだろー。そう考えるとウチの翔の方が攻略は難しいんじゃないかー？」

「確かにそうかもしれねーな。大和なんか出合い頭で一発かましちまったし」

好太も言ったが、大和は今回一球目をスタンドに運んだけれど、塚原の球ならまずありえない。

恐らく、無意識的に塚原の球の遅さに振り遅れることはないと思い、普通にスイングするからこそ、ノビにいっそう食い込まれるのだろう。

ただし球が遅い分、多少詰まっても外野まで運ばれる可能性がある。

菅原の場合、球速があるぶん力負けということはないだろうが、詰まらせる可能性が塚原より低い。