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どちらにしても一長一短があり、どちらが良いとは一概には言えない。
ただし、速くて回転量の多い球は間違いなく、打ちにくいだろう。
「皆、守備をしなさい」
美鈴にそういわれてグラウンドを見ると、攻撃が終わっていた。
どうやら、三者凡退に打ち取られたようだ。
もしかしたら、菅原にエンジンがかかってきたのかもしれない。
「ま、なんとかなるか」
大和はゆっくりとベンチから出て、好太の投球練習を手伝った。
やはりカーブの精度が酷く、かなり使い所が難しい。
ただ、普通には使えない球だからこそ、逆に相手も対応がしにくいとも言える。
さらにシュートはスピードがあまり落ちない変化球なので、遅いカーブは緩急をつけることが出来るのだ。
「バッター」
審判が打者を呼び、水尾の四番が打席に入った。
背は170後半くらいだろうが、かなり筋肉質な体型をしている。
たしか、高校通産で20号くらいホームランを打っていると新聞に書いてあった。
その新聞には青山堂高校の記事は無く、好太がかなり悔しがっていた記憶がある。
好太はその事を覚えているだろうか。
そんな事を考えながら、大和はサインを出した。
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