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その後も着々と加点し、ついに五回の表、9ー2となった。
水尾の選手達はほぼ全員、かなり動揺している。
結局エースの菅原は途中で引っ込んだが、二番手以降の投手も上手く対応できた。
残すはアウト三つ。
今までの好太なら、問題無く抑えられる。
恐らく、殆ど全員がそう思っていただろう。
「大和君。ちょっときて」
プロテクターを着けている大和を美鈴は横に座らせた。
「なにが言いたいか、あなたなら分かるわね」
「……はい。好太の事ですよね」
大和はマウンドで投げている好太を見た。
美鈴とそのボールを受けている大和は気がついたが、好太の体力はかなりいっぱいいっぱいになってきていて、コントロールが少しずつズレて来ている。
さすがの好太でもこんなに早く体力がきれるとは思っていなかった。
「いったいなんででしょうか……」
「今はそれを考えるより、この回をどうするかだけ考えて。この回、ランナーが得点圏に進んだら、塚原君にスイッチするわ。さ、行って」
美鈴に送り出され、大和は走ってグランドに行った。
好太はまだピッチングをしていたが、大和は直ぐに切り上げる。
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