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バッターは完全にタイミングを外している。
だがしかし、ボールはバットに当たった。
ボテボテのピッチャーゴロ。
打ち取った。
好太は腰を落とし、捕球体勢を作る。
その瞬間、ボールはイレギュラーし、好太のグラブを弾いた。
しかし、好太は直ぐにそのボールを捕まえる。
そして、一塁に投げた。
投げられたボールは、かなり横にずれる。
野田が必死に出したミットの先を通り抜け、ボールは一塁ファールゾーンを転がった。
ライトの大牟田がバックアップでそのボールを抑えるころには、既にバッターランナーは二塁ベース上。
電光掲示板ではＥのランプが灯っていた。
内野は直ぐにマウンドに集まる。
そして、伝令に川上が走って来た。
「先生は、バッテリーを交換するらしい。塚原君がピッチャーで、キャッチャーは岩崎君。サードに大和君が入り、外野は三木君」
美鈴は既に審判に告げたようで、審判はバックネット裏の放送席に伝えている。
そして、場内アナウンス。
それを聞いた塚原は、マウンドに駆け寄って来る。
大和は全てがあまりに唐突過ぎて、動けないでいた。
そして、交換されることも知らなかった好太は、ボールを持ったまま立ち尽くす。
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