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練習はそこで一端終わり、昼休憩になった。
「大和君、好太君、ちょっと来てくれるかしら」
美鈴に呼び止められた大和は、反射的に「来た」と思った。
昨日の試合についての話をするに決まっている。
その内容がどういうものであるか予測がつかないのが、さらに大和の不安をあおった。
好太はいつもと変わらない様子を装っているが、長年の付き合いである大和には好太の緊張が分かる。
二人は肩を落とし気味にしながら、ゆっくりと美鈴の後を付いていった。
美鈴はベンチに座り、二人を目の前の地面に座らせる。
美鈴はまず、二人に「昨日はお疲れ様」と声をかけた。
「早速だけど、昨日の途中から微妙にコントロールが狂い出したんだけど、自分で理由が分かる?」
美鈴は好太に尋ね、好太はうーんと唸った。
「昨日は確かに最後の方はコントロール狂ったけど、なんていうか、ちょっといろんな事に気が散っちまったかもしれないっす。雨とかもありますが」
好太はそういいながら頭をかき、「言い訳臭いっすね。ごめんなさい」と謝った。
「確かに、あなたのコントロールの乱れはかなり想定外だったわ。だから、私は塚原君にスイッチしたわけだしね」
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