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何か集中を切らすようなことや、集中力を浪費するようなことがあったのではないだろうか。
そんな事を考えていたら、ふと中谷の顔が思い浮かんだ。
中谷のリードはどうだったのだろうか。
今度あったら、中谷に聞いてみようと大和は思った。
午後からの練習で好太は、昨日の疲労を考えて投げずにシートノックをすることになった。
大和は昨日の試合であまり投げなかった塚原の相手。
次の試合で最初から塚原をリードする大和は、いろいろと考えながらプロテクターを着ける。
「はい、ちょっと良い?」
美鈴が手を叩きながら二人に言った。
「いきなりだけど、塚原君にもう一つ変化球を覚えて貰うわ」
美鈴はニコリとしながら、ボールを受け取る。
毎度毎度の事ではあるが、本当に美鈴は何を考えているのかよく分からない。
どう考えても、大会期間中に変化球を使いこなせるようになるわけが無いだろう。
それなのにカットボールやスライダー等、やたら変化球を覚えさせたがる。
それにいったいどんな意味があるのだろうか。
「スライダーと言っても、縦のスライダー。まぁ、Vスライダーってやつね」
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