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ここで普通に野球をやってきた人間なら「そっか」などと言って理解するのだろうが、そこは小野好太。
「は? わけわかんねーぜ!」とでも言いたそうな顔をしている。
よほど今まで打撃に興味が無かったのだろうけれど、いくらなんでもわからなさ過ぎるだろ。
思わず溜め息が出た。
「外角の球を引っ張るって言うのは難しい。まず、この前提を理解しているか?」
好太は「そうなの?」とでも言いたそうな顔をしたが、急いで頭を縦に振った。
「だったらもう分かるだろ? 内角は引っ張り、外角は流す。どちらも出来たら最高だが実際は難しい。だから、とりあえず右方向、つまり流し打ちを狙うんだ」
「なるほどねぇ……」
好太は感心しているようで何度か頷いている。
これ以上「わかんねー!」と言われ続けたら説明のしようが無いと思っていたので、ホッとした。
「しかも、好太は右だからね」
大和が付け加える。
「野田君のような左打ちだと、流しても進累打になりにくい。だから、右打ちの方が進累打は打ちやすいからね」
「そんなもんか」
「だから、練習しないとね!」
「大和と好太はまだトレーニングするのか?」
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