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次の日、大和は塚原と好太のボールを受けた。
二人ともそれぞれチェンジアップ、カーブのクオリティーを上げることに四苦八苦している。
特に好太はカーブと一緒にカットボールの練習もしなくてはいけないので、さらに大変そうだ。
受ける方もどちらに行くか分からないボールを受けるので大変ではあるが、ただ同じ事を続けるだけなので難しくない。
「くそっ! 全然ダメじゃねーか!」
ついに好太はイライラしてきたようだ。
だが、口で文句を言う割に一生懸命投げつづけるのが好太らしい。
一方塚原はもうチェンジアップすら上手く対応し始め、今は大和の代わりに川上がキャッチャーをしている。
「どんな感じ?」
いきなり美鈴が現れ、川上と大和に聞いた。
慣れている大和はともかく、川上はびくりと体を震わせて立ち上がる。
投球動作に入っていた塚原だったが、それを見てボールを投げなかった。
「ダメよ立ち上がっちゃ。投球動作を途中で止めちゃうと、いろいろな所の筋肉に負担がかかって故障に繋がるんだから」
「……すいません」
川上はツイていないなと大和は思った。
「それで、二人はどんな感じ?」
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