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美鈴は好太をちらりとみた。
「小野君のストレートも決して速くはないけれど、フォームが大きいから相手はタイミングを外してしまう。さらにフォームが大きいから制球の良さも引き立つ」
「じゃ、最近野手投げのピッチャーが増えたのもそういうことですか？」
「良いところに目を付けたわね、大和君。だけどそれはどうかしら」
好太が苦笑いしているところを大和は横目で見た。
「確かにフォームと投球を考えた場合には関係があるかもしれない。けれど、それで増えたと言うのはちょっと乱暴。そもそも数が増えたのか分からないし、野手投げということで普通の投手よりインパクトがあるから印象に残りやすいのかもしれ無いでしょ」
「それもそうですね」
「さて、塚原君。普通にキャッチャーに向かって投げる練習より、鏡の前でシャドーピッチングをした方が効果的だと思うの。これからはそういうことも視野に入れて練習しましょう」
「はい」
塚原は元気に返事をした。
ここで投球練習は一旦終わり、全員がフリーバッティングに混ざる。
注目の好太は最初は空振りの三振で、次はどん詰まりのファーストゴロ。
しかし第三打席はライトにテキサスヒットを打った。
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