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「どうすれば良いんだ?」
好太は大和に聞いた。
「俺が知ってる訳無いでしょ。でも、何て言うか、ドラマとかでは『自分の気持ちに素直になれば良いんだよ』みたいな事を言わない?」
「くっさいセリフ吐くなー」
好太が嫌らしく笑ったので、大和は目を閉じ、好太の頭をぽかりと叩いた。
好太は「ぎゃふん」と訳のわからない事を言う。
本当に「ぎゃふん」と言う人間を初めて見た。
「いててて……。ところで、野田は橘ちゃんをどう思っているんだよ?」
「面白いやつだと思ってる」
大和に言わせれば橘は真面目そうで、面白い感じの女の子には見えない。
野田独特の感性が、橘の何かにハマったのだろうか。
「じゃ、付き合えばいいだろ? 橘ちゃんもおそらくそうしたらめんどくさい奴らに絡まれなくなるだろうし」
「ストレートだね。でも、有りか無しかで言ったら有りかな」
野田はうーんと唸る。
「それは無理だ」
「なんで?」
「なんで?」
二人は同時に聞いた。
野田は弁当を置き、一口飲み物を飲んだ。
それからゆっくりと口を開く。
「甲子園に行くんだろ?」
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