11、夢の始まり

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ただ言えることは、昔はたまにだった学食の勉強が、今は毎回一緒に勉強していると言うこと。 そのまま橘と一緒に帰ったり、大和達と練習したりで勉強の後は毎回違うけれど、この勉強会はどうやら必ず一緒である。 「うらやましーなー」 大和と好太が自主練習を終えて一緒に帰っていると、好太が野田の事をぼやいた。 「だったら好太も良い人見つければ良いじゃん」 「いや、俺にだっているんだぜ!」 「ホント!?」 驚いた大和は勢いよく首を振り、好太の顔を見た。 「本当本当。ってかよー、高校生にもなって好きな娘がいないって、ちょっとありえないだろ?」 いろいろと問題があるが、とりあえず大和は話を合わせた。 「それで、誰?」 「それはいわねーよ」 好太はいたずらしているような顔をしている。 どうやって吐かせようかと思った大和だったが、吐かせたら吐かせたでめんどくさい事になりそうな気がして、それ以上は何も言わなかった。 余裕を持って会話をしているが、試合はついに明日である。 大和は、決して自分からそれを口にしてはならないと、心に決めていた。 好太のためではなく、今にも体中に力が入ってしまいそうな自分を宥めるためである。
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