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ただ言えることは、昔はたまにだった学食の勉強が、今は毎回一緒に勉強していると言うこと。
そのまま橘と一緒に帰ったり、大和達と練習したりで勉強の後は毎回違うけれど、この勉強会はどうやら必ず一緒である。
「うらやましーなー」
大和と好太が自主練習を終えて一緒に帰っていると、好太が野田の事をぼやいた。
「だったら好太も良い人見つければ良いじゃん」
「いや、俺にだっているんだぜ!」
「ホント!?」
驚いた大和は勢いよく首を振り、好太の顔を見た。
「本当本当。ってかよー、高校生にもなって好きな娘がいないって、ちょっとありえないだろ?」
いろいろと問題があるが、とりあえず大和は話を合わせた。
「それで、誰?」
「それはいわねーよ」
好太はいたずらしているような顔をしている。
どうやって吐かせようかと思った大和だったが、吐かせたら吐かせたでめんどくさい事になりそうな気がして、それ以上は何も言わなかった。
余裕を持って会話をしているが、試合はついに明日である。
大和は、決して自分からそれを口にしてはならないと、心に決めていた。
好太のためではなく、今にも体中に力が入ってしまいそうな自分を宥めるためである。
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