12、局地戦

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まず一番と二番が逆になり、リードオフマンは磯島がつとめる。 三番の野田から六番の大牟田までは変わらないが、七番にセカンドの南、八番にピッチャーの好太、九番にレフトの三木が入った。 三木は俊足強肩で打撃も悪くないが、今回の試合は次の打者である磯島との兼合いで九番に入っている。 戸部でも良いのだが、磯島は戸部にはない長打力を持つので、塁に出た三木を磯島が返すというパターンを期待してのオーダーだ。 だが、南と好太を七番八番におかなくてはならないので、かなりハイリスクな打線である。 特に七番の南は、チャンスで回って来る事もありえるのだ。 下位に座って確実に打点を稼いでくれる塚原がいないので、上位打線の繋がりに期待したオーダー。 つまり、大和には打撃も期待されている。 守備にも打撃にも、もの凄く負担がかかる四番キャッチャーの大和。 勝負は自分の双肩にかかっているということは、大和自身がよく知っている。 プレッシャーが無いと言ったら嘘になるが、それを感じるほどのんびりとしていられないのだ。 磯島が打席に入る。 サイレンのけたたましい音がなるなか、安達は一球目を投げた。
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