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ボールはアウトローいっぱいに決まり、その球速がバックスクリーンに表示される。
「おいおい、いきなり141キロだってよ! まったく無駄にはえーな!」
打撃が上手くなってきた上に打つことを期待されていない好太は余裕そうだ。
しかし、それ以外の野手は、皆少し表情が固くなる。
もちろん、大和もだ。
そんな大和の頬を、好太がつねる。
「ほれ、リラックス、デラックス、デトックスだぞ」
「馬鹿か?」
野田が呟いた。
そんなことをしている内に磯島は追い込まれている。
フルカウントから粘った磯島だったが、結局空振り三振で戻ってきた。
「どんな感じ?」
「普通に速いよ。カットするので精一杯という感じだった」
悔しそうな磯島だったが、結構な球数を安達に投げさせたので、役目を果たしたとも言える。
次は、戸部。
ネクストバッターズサークルからじっと磯島の打撃を見ていたので、ストレート一本に張れば、当てるくらいは出来そうな雰囲気がある。
打席をならしてから左バッターボックスに入った戸部に対する安達の一球目。
戸部は悠々と見送ったが、かなり際どいアウトローのストレート。
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