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長い間合い。
そこから、安達は動きはじめる。
腕が頂点に行き、振り落とされた。
いける。
大和は心の中で叫ぶ。
しかも、ストライクゾーン。
迷わずバットを出した。
落ち切らなかったフォーク。
完璧に捕らえた。
ボールは快音を残し飛んでいく。
打球にかなり勢いがある。
左中間にぐんぐんと伸びていく。
レフトとセンターが追い掛ける。
大和は鈍足を一生懸命動かして一塁を駆け抜けた。
打球は、フェンス間際。
センターが飛びついているのが見えた。
「取るな！」
青山堂ベンチからそんな声が聞こえてきた気がした。
大和も祈るような気持ちでボールの行方を目で追う。
ボールは、センターのグラブの上をすり抜け、フェンスに激突した。
バックアップのレフトがボールを掴み、内野に投げ返すころには、大和はセカンドベースに滑り込んでいる。
しかし、それ所ではない。
戸部はどうなっただろうか。
大和はホームに目を向ける。
すると、右手でベースに触れた戸部が見えた。
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