13、BLOCK☆MAN

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八月某日。 私立、青山堂高校野球部グラウンドは、野球部員達が猛暑の中、汗を流しながら練習に励んでいた。 全員が汗まみれの泥まみれ。 ユニフォームはもちろん、顔まで砂埃で汚し、心身ともにボロボロだ。 「クソあちーな」 グラウンドの回りをジョギングしている小野好太は、額から大量の汗を流していた。 「まぁ、夏だからね」 「だいたい、夏だから暑いっておかしいだろ? 夏はもっと涼しくなって、冬はもっと暖かくなれよ!」 「わがままだなぁ」 好太の隣を走る志田大和は苦笑した。 その右手には包帯が巻かれている。 ただ、ギプスはつけられていないし、かなり緩くまかれているようだ。 「腕、どうなんだ?」 そっけない調子の好太。 「大分良くなってきたよ。ペンも箸も持てるようになってきたからね」 「そうか…………」 「珍しいね、腕のことを聞くなんて」 「ま、まぁな」 好太は口を閉じた。 あの試合は好太にとって触れたくないものだったのだろう。 それは好太自身ではなく、大和の事を思って。 だから、初めて腕の事を聞かれた。 あの試合から一ヶ月が経ち、好太も先を見始めているのだろう。
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