13、BLOCK☆MAN

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「俺さ、あの試合のあの打席、いつもと違う事を思っていた」 そう言うと、好太はピクリとした。 しかし、何も言わない。 「いつもなら、後ろに繋げる為にギリギリまで考えていた。けれどあの打席、自分が決めてやるってしか考えられなかったんだ」 内野陣は守備陣形を変えてノックを始めた。 磯島や野田が機敏に動いているのが見える。 「だから、狙い球が来て焦っちゃった。勿体なかったなぁ」 苦笑いをしたが、好太は黙ったまま何も言わない。 「あれを打ち損じなければ勝てたのにね」 「それはちげーよ」 好太の、いつにない冷静な声。 「もし、大和が打っていても大成はかわらねーし」 「そうかな?」 「そうだ」 ところで大和、と好太が右手でボールをいじくりながら言う。 「久しぶりにキャッチボールしないか?」 「そうだね、そろそろ良いかも」 「じゃあ、早速」 好太はベンチから大和と自分の分のグラブを持ってきた。 そしてキャッチャーミットを大和にはわたし、ボールを投げる。 ボールは大和のミットに吸い込まれた。 「久しぶりのくせに良い音がするな!」
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