13、BLOCK☆MAN

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「うん、思ったより、調子良いみたい」 「ただ走ってただけなのにな」 好太は笑う。 「大和は、キャッチャーとして、センスあるほうだと俺は思うぜ」 「そうかなぁ?」 「ああ。だから、大和を先生はスカウトしたんだろ。実際、大和は試合でも面白いリードをしている」 そんな事を言いながら、好太はどんどん投げ込んできた。 前とは少しイメージが違うが、問題なく捕球できる。 「だからよ、大和は下手に打てるから大変なんだよな」 「下手に打てるって、変な表現だね」 「まぁな」 「けど、そうなのかも知れないなぁ…………」 大和は、ボールをなげかえす。 そのボールを好太は上手に捕球した。 「だからよぉ、俺ともう一度やり直しだな」 「やり直しねぇ…………」 「ああ。最初は皆、壁にボールをぶつけてそれを受け止めるって練習から始めるだろ? それと同じだ」 「そこまで戻るのか」 思わず、笑ってしまった。 でも、好太の言わんとしていることは分かる。 あの頃は、もっと楽に野球をやっていた。 全力で守り、全力で走り、全力で打つ。 それが、上手くなるに連れて、おろそかになった。
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