1、あのマウンド

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「プレイ!」 審判のコールと共に、六番バッターの磯島がボックスに入った。 ショートの守備で有名だが、打撃センスも申し分がない。 ホームランこそ少ないが、長打力もある。 さらに、ミート力と足の速さは驚異的。 好太が磯島をそう評価していた。 つまり、けちの付け所がない選手。 転がされてもきついし、打たれるのもきつい。 三振がほしいと思った。 セットポジションから、第一球目を投げる。 中谷のミットが動かない。 ど真ん中。 こんなときに限って要求通り。 打たれる。 大和は瞬間的にそう悟った。
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