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われわれのような小さな国にしては、あの大国相手にはずいぶんと頑張ったのではないだろうか。
風を切り、耳元を何発もの銃弾がかする。
小さくうめき声を上げると、隣にいた戦友は動かなくなった。
「アーメン」
私は素早く十字を切り、そっと彼の目を閉じさせた。
彼は、永遠の安住を得たのだ──。
この世の地獄とも言える戦場を抜け出して。
人間らしい感情はどこかに置いてきてしまった。
来る日も来る日も、目の前の敵の命を奪い、生暖かい血を浴びて。
励まし合い、助け合い、時に笑い合った仲間の死を悲しむ間もなく、また誰かが死んでいく──。
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