Ｄｅａｒ ｍｙ．．．

次の掛け声で戦は終わる。

われわれの敗北という結果で。

いや、もしかしたら、戦に勝利というものはないのかもしれない。

なぜなら、敵国軍の兵士として戦っている彼らにも私たちと同じように家族や恋人や友人がいて、
彼らの安否を心配し、
そして死の知らせには悲しみに沈んでいることに違いはないからだ。

私はそっと、上着のポケットから写真を取り出した。

もう何度も雨風に晒されて、今にも崩れそうなセピア色の写真。

結婚式のときの家族写真だ。