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「まりちゃん?どげんしたと?」
―高校の入学式
「あ…ううん。それよりさぁ…まり、煙草吸いたいっちゃけど…トイレ行かん?」
「え…あっごめん、私…」
「あっそ…じゃあまりトイレ行って来るけん!担任来たら適当に言っとって!」
あの日から
私に友達はいなかった。
ずっと1人で
過ごしてきたんだ。
「何この学校…トイレばり汚ない…」
私はライターに火を点け
ニコチンを力いっぱい吸った。
「はー。」
煙を吐く一瞬
この一瞬だけは
過去も何もかも
私の頭から消してくれた。
唯一の落ち着く
私の居場所だったのかもしれない。
「ねぇねぇ聞いた?B組の小百合っち子、ばりヤリマンらしいったい!うちもチラッと顔見たけど大した事ねぇし!」
「マヂで?そー言うのうざくない?B組やんね?同中の子おるけん言っとこ!」
B組………か。
もう終わったね
小百合って子も。
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