縛られた現実

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「リナおはよっ!」 クリスマスまで…あと一週間。 日に日に寒くなっていく空気に身を縮ませながらの通勤。 後ろからヨウコに元気よく肩を叩かれた。 「あ、ヨウコおはよう。」 「…リナ…もしかして…今年も寝れてないの…?」 「うん…まぁ毎年この時期だけだからね。年明けたらまた元気になるよ。」 「でも…自分の顔見た?」 「え?なんで?」 「すっごく顔色悪い…」 普段冗談を言ったりして明るいヨウコが深刻な表情で私の顔を覗き込む。 そういえばここ最近ずっと熱っぽいし、食欲もないなぁ… 「もしかして風邪ひいたかなぁ?帰りに病院行ってみるよ」 「うん…本当にそうした方がいいと思う…」 ヨウコに言われなかったらきっと気づかなかった。 自分に迫っていた現実… そして奇跡への階段… .
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