縛られた現実

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「リナ~!営業部の近藤くん振ったんだって~!」 「ん?あぁ、でもどうしてもっていうから食事には行ったよ?」 「社内でもイケメンだって評判の近藤くんを振るなんて相変わらず魔性の女だわぁ~」 お昼休み。 同僚であり親友のヨウコが話しかけてきた。 私は某大手広告会社で秘書をしている。 秘書っていう仕事の華やかさに周囲はチヤホヤしてくるけど、結局見た目とかステータスでしか女を見てない男ばかり寄ってきて、正直ウザい。 「別に魔性じゃないよ?だって好きでもない人と付き合う必要ないじゃん。」 「そうだけど…アンタ今年で何人振ってる?」 「たぶん…10人くらい?」 「いや、15人!そりゃぁ私だって好きでもない人と付き合えとは言わないけど…」 「でしょ?じゃぁ仕方ないじゃん?」 「そうだけど…まだ引きずってるか心配でさ…カズヤさんの事…」 胸がズキッとした。 引きずってない…とは言えないけど… でも… 「そんな訳ないじゃん!もう5年も前の話だよ、それは関係ないよ!」 「でも…あれ以来彼氏だけじゃなくて好きな人すら作ってないじゃない…」 「偶然だよ!偶然運命の人が現れてないだけ!…あっっ、社長が戻ってくる時間だ!ごめん!先戻るね!」 「あ、リナ…」
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