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-離別-
朝には、
妻はもう居なかった。
後に残ったのは罵りの言葉よりも残酷な告白がしたためられた置き手紙と。
幼い子供だけ。
「……。これから、どうしたもんかなァ…」
ベッドを背も垂れにして座り込んでから、もうどれほど経っただろう。初めは明るかったカーテン越しの窓の外も今はもう薄暗くなっていた。
虚無感。
確かに俺もずっと仕事にかかりきりだったし、ここ最近あいつに他の男の影があるのにも薄々気付いていた。
だからって、こんなドラマとか小説みたいな展開なんて想像もしてなかったんだ。
とでも言っておけば何かの言い訳にはなるのだろうか。なんだかもう色々と頭の中がごしゃごしゃになって全てから逃げ出したい気分だ。
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