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「おっせぇよ。俺、今日はヤシ達と野球しに行くって言ったじゃんー」
食卓にはもう出かける準備が万全な結太が、待ち兼ねたように足をばたつかせていた。
ヤシ、と言うのは結太のクラスメイトで、本名を小林 春(こばやししゅん)という。よく家にも遊びに来る良き友人だ。
「悪かったって、帰りは何時?」
「ん?…んー…五時くらいかな、暗くなる前には帰るよ」
テーブルに皿を置くや否やすぐに「頂きます!」と手を合わせて食べ始める結太を横目に自分も席に着いて、箸を取る。
なんでもない。
普段通りの日曜日の朝である。
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