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朝食が終わると、洗濯機を回してその間に洗い物を片付けるのが常だ。
あいつが出てってからの一年間で、俺が身に着けた生きていくための術。
それまではずっとあいつに頼りっ放しで、料理も、洗濯も、何一つ出来なかったのに。
思わぬ所で時間の経過と、人間の順応性の高さを思い知らされてしまった。
「……ふぅ、これで終わりだな」
しょっぱい気分のまま最後の皿を棚へ戻して、両手の水気をエプロンで拭う。取り敢えず一段落がついた晴々しさに肩が軽くなった気がした。
洗濯機は…
まだ回ってる。
時計を見ると、針は10時半近くを指していた。洗い終わるまでまだ暫くかかりそうだったので、一旦部屋に戻って仕事の続きでもする事にした。
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