序章

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     かつて、神聖なるユガールタの地に、闇の触手迫りぬ。  人々を殺戮し、大地の実り、根こそぎ奪うものなり。  将に、神聖なるユガールタの地、闇に塗り潰されんとす。    そのとき、暗き天より、厚き雲つらぬきて、光の槍放たれん。  その下に、偉大なるルタ神が遣わされし娘、大地踏みしめて降り立ちぬ。    その師、人に非ず。娘の技もまた、人を遥かに上回らん。  その剣、ひと振りにて千の敵を薙ぎ払い、その馬、一夜にて千里を駆ける。    娘、その武をもって、聖なるユガールタより闇を追い払いぬ。    娘、曰く、「聖なるユガールタ、再び脅威にさらされし時、今一度この地に降臨せん」と。    人々皆、娘を敬拝し、もって、「戦姫」と呼び奉る。      ~ユガールタ帝国興亡史より 創国期の伝承    
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