第1話…転校生

8/20
前へ
/495ページ
次へ
その後…学祭の劇の練習…順調に学祭の劇はできあがっていく。 しかしさすがに一日中、学芸祭の練習でへとへとになる。 「凄いよかったよ!」 後から声がして、振り向くとゆうかが立っていた。 ゆうかは可愛くて、スタイルもよくて、今日転校してきたのにもう、学校のアイドルだ。 つまり、りょうまにとっては遠い存在なのだ。 「おう、サンキュー」 「主人公なんてすごいじゃん!」 「まあな…でもべつにやりたくてやったわけではないねんやけどな…」 役はクラスの投票によって決まるのだ。 何故皆、俺を選んだのか未だ解明されてはいない 「そうなんだ…」 「おう…」 「家って何処なの?」 おぉ…話が変わった… そんな心のツッコミを隠して、対応する。 「家はここの道を真っ直ぐに行ったとこやで」 「あ!私もそうなんだ、一緒に帰らない?」 「え?べつにええけど」 これは願ってもない大チャンスだ。 今日はいい日だ… GOOD DAYだよ! 「じゃあ一緒に帰ろうか」 「うん!」 練習が終わり着替えて二人は校門前で待ち合わせにした。 帰り支度をして、校門に行くとゆうかの周りには男子が固まっている。 「ありゃりゃ…」 どうしていいか解らずとりあえず先に帰ることにした。 今入れば他の男子に敵視されるし、めんどくさい。 「ちょっと待ってよー!」 しばらくして背後からゆうかが走ってくる 「ゴメンネ!」 「お気になさらず!」 軽く手を上げた。 「名前…教えて」 「宮下りょうま…」 「カッコイイ名前だね」 「よく言われるし…」 小学生の頃から名前を言う度、先生や生徒によく感心される りょうまという名前は稀(まれ)な名前らしい… 「川村は部活やらないのか?」 「名前でよんでよね…」 ゆうかは頬を膨らまして、こっちを見る。 「ゆうかは部活入らないのか?」 「うん、私は体が弱いからね…」
/495ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1874人が本棚に入れています
本棚に追加