第1話…転校生

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「体が?なんか病気?」 「違うよ、ただ生れつきの問題だよ」 ゆうかは笑みを浮かべた。 なんとなく、無理してる気がするけど… 「りょうま君って特技はないの?」 ゆうかは隠すように次の質問へ移行する。 「テニスとマジックが得意かな…」 りょうまはテニスで今度の大会で地区大会に出る事を言った。 「りょうま君すごいね!今度応援にいくね!」 「ありがとな…でも、そんな強くないで…」 でも、心の中では…(ふ!まあな)の言葉である 「ゆうかはどうして初日から明るいんだ?」 さっきからずっと疑問に思っていたことを質問する… 普通転校生は緊張してるものなのに、ゆうかは皆とは違った。 「だって…転校生が初日から変なイメージもたれちゃいやじゃない」 「まあ確かに…」 考えてみればそうなのかもしれない やがて狭い道路に差し掛かり、ゆうかは立ち止まった。 「私こっちだから…また明日ね!」 ゆうかは笑って手を振ってきたから、りょうまも振り返した。 なんだかゆうかの笑顔を見ると、心が安らぐ気がするのは俺だけだろうか? 絶対俺だけだろう… 「ただいま~」 疲れた声…ってか疲れた。二階まで上がり床に鞄を落として布団の上に倒れ天井を見る。 「可愛いかも…」 ゆうかを思い出した。 「やっべ!あの娘めっちゃ可愛いやん!」 頭がバクり出し、立ち上がって一人で空間に飛び蹴りをする。 人間はバクるとこうなるだろう… その夜はずっとゆうかの笑顔を思い出してニヤついた。 呆れる青年である。
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