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「痛!」
痛がる詩織に殴りかかった。
周りの人目なんて気にしなかった
「りょうま…やめて!」
詩織の言葉を聞き入れずに、殴り続ける。
「撤回しろよ…」
「宮下!やめてくれ…お願いだ…手紙を書いたのは俺なんだ…」
病院の入口に真辺が車椅子から下りて、地べたに座り込んでいる
「手紙を書いたのは俺だ、そしてポストにいれたのは俺の仲間なんだ…」
「は?」
うまく状況が把握できない。
「恵司…どういうこと?」
詩織は芝生から起き上がった。
「詩織には言ってなかった…ごめん…」
真辺は詩織に頭を下げた。
「俺はこいつに最高の手紙を送りつけたんだ」
「恵司!なんで?」
「だって…詩織があんなに悲しんでるの…見たことなくて、そしたらあいつの彼女さえいなかったらと…」
パン!!
詩織は歩み寄って恵司をひっぱたいた…
病院の敷地に音が響き渡る…
「バカ!そんな事したって嬉しくないよ!」
「俺は詩織を思って」
「それはちがう…違うよ!恵司…幸せってね、そんなに簡単に手に入らないの…だから入った時に人はそれを本当の幸せと言うの」
「詩織…」
恵司は頬をさすった。
「りょうま…」
詩織はこっちを振り向いた
「さっきはごめんなさい…」
「いや…俺もごめん…殴るなんて最低だ…」
詩織の頬を撫でた。
すると詩織は涙を流した。
「大切な人と、幸せにね…そして、ありがとう」
それだけ言い残して、真辺と病院へと消えていった。
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