第1話…転校生

6/20
前へ
/495ページ
次へ
その時、ドアが開いて先生が入ってきた。 真辺をいじめていた奴らは何事もなかったかのように席につく。 「今日は転校生が来た。」 その瞬間、教室のボルテージが急上昇 まるで9回2アウトの3-0の絶対ピンチの場面で、逆点満塁サヨナラホームランが飛び出した、東京ドームみたいだ。 いや… 阪神甲子園球場のほうがよいだろうか? 「まってました!」 「俺の彼女!」 次々と生徒たちが教卓へ集まる 全員の期待が高まる中、教室のドアが開く 入ってきた女の子は制服がよく似合っていて、髪の毛は赤色、肩までの長さの髪だった。 「おお~!!」 さらに急上昇のボルテージは上がる まさに教室はパッパラパラダイスだ。 教室の後ろでは俺と数人は彼女をずっと見ていた。 「はじめまして…川村優香(かわむらゆうか)です。よろしくお願いします。」 彼女は、丁寧におじぎをした。 「え?俺?斎藤正樹!え?彼女?いないぜ!」 「誰も、んなこと聞いとらんわ、阿呆!」 先生が斎藤の頭を出席簿で叩き、彼女に1番後の席を指さして座らした。 俺の席からは随分離れている。 もうすぐ夏休み。りょうまは一人で海へ行く予定を立てていた。 彼女とも別れたし… また違うやつでも探すか…と思っていた。 つまりナンパだ 毎回毎回軽いノリで恋をして… 相手を傷つけて… 傷ついて… すぐに別れて… そんな恋ばっかだった。 そう…あの人に会うまでは。
/495ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1874人が本棚に入れています
本棚に追加