1874人が本棚に入れています
本棚に追加
その日の帰り道…
ゆうかは公園にりょうまを誘った。
誰もいない二人きりの公園で、ただ虚しくブランコの音だけ聞こえていた。
キィーコ…
キィーコ…
そんな中、ゆうかは口を開いた。
「りょうま…もし、もしだよ?私が、すごい病気になったら…どうする?」
突然ゆうかが、真剣な眼差しで見てくる。
目を閉じながら自分のおでこをゆうかのおでこにつけた。
「そうなっても、俺はゆうかから絶対に離れないぞ!」
そういってニカッと笑ってゆうかを安心させる。
「本当?」
疑い事を言うゆうかにりょうまは小指をたてた。
「なあに?」
「指切り…しようや」
「…うん!」
ゆうかはりょうまと小指を絡ませた。
「ゆーびきーりげんまんうそついたら…」
二人で歌いながら笑った。
もしそうなったら、何がなんでもゆうかのそばにいることを誓った。
「ゆーびきった!」
また二人は笑顔を零す。
幸せ
この言葉が今、合っているかもしれない。
また雪が降り始め、粉雪が二人を包んだ。
最初のコメントを投稿しよう!