朝の風景

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暖かな陽気の中。 窓際の席で眠る棗 伊織。(なつめ いおり) 伊織の前には聖 沙那(ひじり さな)が困ったように立っている。 「ねぇ伊織くん……起きてよー。そこ私の席だよ?」 そう。伊織が眠っていたのは沙那の席だった。 「うーん……おぉ沙那。おはよう」 「おはようじゃないよ~。どうして私の席で寝てるの?」 「なんでって、暖かいから」 「も~早くどいてよ~グスッ」 「分かったからそんなんで泣くなって」 泣き出しそうな沙那を見た伊織は急いで席を立った。
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