朝の風景

3/3
前へ
/273ページ
次へ
「それよりどうして遅れたんだ?今日は魔具作る日だーって言って張り切ってただろ?」 伊織がそう聞くと、沙耶は照れながら笑った。 「それがね、楽しみで眠れなかったの」 「小学生かお前は……」 伊織が頭を抱えていると前の扉が開いた。 「はーいみんな席についてー。出席とるわよ」 「伊織くん先生きたんだから席につかなきゃ」 「へいへい分かってますよ」 伊織が席につくと、ちょうど皆も落ち着き、ティファが話し始めた。 「連絡は……あ、そうそう。今日の一時限目の魔法学は魔具作りだからね。HR終わったらすぐに校庭集合ね。じゃあ終わり」 そう言ってティファは教室を出ていった。 「相変わらず忙しい人だねぇ」 伊織がぼーっとしていると沙耶がやって来た。 「ほら伊織くん。早く行こうよっ!!」 伊織は沙耶に手を引かれて、立ち上がった。 「待てってっ!!引っ張るなっ!!」 「ほらっ急がば回れですよ」 「意味が全く逆だろっ!!んな事言うなら本当に回れよっ!!」 「クルクル――」 「回転すんな――っ!!」
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4075人が本棚に入れています
本棚に追加